20数年ぶりに故郷へ帰ってきた。
日本海に面する大浜市の、市街から大きく外れた山奥に、
上折根(かみおりね)の集落はある。
私はそこで、ひとりの少女と出会った。
秋になると必ず甦る禍々しい過去の記憶を清算するため、
私は彼女に語りはじめる。
自らの犯した大きな過ちのこと、そして――、
この村にわだかまる深い闇のことを。
ジャンル:悲恋